花を楽しんだ後は、根の生育の影響を減らすために、なるべく早く萎えた花を落とす必要があり、赤系統から「花の切り落とし」した。(白系統は少し晩生のため)
「花切り落とし」は花だけを切り落とす作業である。
出来るだけ葉を残して、光合成を促進して根を太らせるためである。
一部の赤色が強い滝沢赤色2号は花弁を採り、乾燥機で乾燥させる(お菓子や食品などへ利用のため)が、多くの花弁は竹藪への廃棄(肥料)となっている。
シャクヤクの蕾、花の成分分析が毎年、奈良県産業振興総合センターで行われて、随時、報告されつつある。
今年、2月にシャクヤクの花から醸造能力のある酵母が分離され、濁酒の百楽門「華」を造るに至ったのもその報告の一つからだったが、その他に
①ポリフェノールの含有量が多い(抗酸化作用)
②ビタミンCの含有量が高い(抗酸化力があり、食利用や化粧品等に活用できる)
③GABA、プロリンを含有(リラックス効果・肌の保湿効果がある)
④グルタミン酸の含有量が高い(利尿効果・脳の活性化・脂肪の蓄積を抑えるなどの効果)
⑤花・つぼみ・緑の葉に、黄色ブドウ球菌や大腸菌に対して抗菌性作用がある。
など報告され、機能性素材であることから、食品だけでなく他の活用法も期待されている。
廃棄される多くのシャクヤクの花や葉、誰がどの様な活用法を見いだすのか!
栽培農家は期待している。
さぁ、花落としが終わった。次は施肥作業(御礼肥)だが、その御礼肥は田植え後になる。
来年に大きな花を咲かす作業(雑草抜きを含む)はまだまだ続く。
来年は栽培5年目、根も太くなり、さらに芽の出る数も多くなるだろう。